So What?

思考の筋トレ...のための読書メモ。

#14:コーエン,タイラー(2009)『インセンティブ−自分と世界をうまく動かす』(高遠裕子訳)日経BP社

経済学、とくにミクロ経済学への関心が再燃してきたので本書を手にとった。この本、実は出た当初に一度読んでいて、面白かった記憶があったので、関心が再燃した記念に再読を試みた。
というか、マンキューの経済学をタラタラ読み始めていて、経済学の10大原理の説明を見ながらそう言えば...という事で本書の存在を思い出したのだ。

ついでなので、経済学の10大原理を列挙しておこう。

経済学の10大原理
□人々はどのように意思決定するか
1.人々はトレードオフに直面している
2.あるものの費用はそれを得るために放棄したものの価値である
3.合理的な人々は限界原理に基づいて考える
4.人々は様々なインセンティブに反応する
□人々はどのように影響し合うのか
5.交易は全ての人々をより豊かにできる
6.通常は市場は経済活動を組織する良策である
7.政府は市場のもたらす成果を改善できることもある
□経済は全体としてどのように動いているか
8.一国の生活水準は財・サービスの生産能力に依存している
9.政府が紙幣を印刷し過ぎると物価が上昇する
10.社会はインフレと失業率の短期的なトレードオフに直面している

さて、本書の原題は“Discover Your Inner Economist”だ。表題どおり「内なるエコノミスト」について書かれたものだ。「インセンティブ」を「人々に何らかの行動を促す要因」とするなら、「内なるエコノミスト」はそのひとつと言えるだろう。ただ、「インセンティブ」について知りたい場合は期待外れに終わる。また、良い経済学と悪い経済学を見分けるポイントとして
1.ハガキ大にまとめられるか?
2.おばあちゃんに理解してもらえるか?
3.「あっ、そっか」を感じる原則であるか?
と著者自身が挙げているが、正直どれ一つとして満たされているとは言い難く、文章や説明は冗長だ。ライトな経済学エッセイとして読むなら良いのかもしれないが...。

読了日:2015/5/4
レート:★★☆☆☆

インセンティブ 自分と世界をうまく動かす

インセンティブ 自分と世界をうまく動かす