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思考の筋トレ...のための読書メモ。

#11:平尾勇司(2008)『Hot Pepperミラクル・ストーリー―リクルート式「楽しい事業」のつくり方』東洋経済新報社

少し前に、楠木建(2010)『ストーリーとしての競争戦略』東洋経済新報社、を読んだ。
まだ、このブログに書評は書いていないのだけど、かなり面白かった。評価としては星4つといったところか。

『ストーリーとしての...』の特徴は、戦略のあるべき姿が動画であるにもかかわらず、その論理を捉えるはずの戦略「論」はやたらと静止画的な話に偏っていた。よって、「静止画を動画に」というのが本書のコンセプトだ。以下キーワードを中心にまとめると

■競争戦略とは
いかにして他社よりも優れた収益を達成し、それを持続させるか、その基本的な手立てを示すもの。「違いをつくり、つなげる」もの。

■競争戦略の二つの流派
・種類の違い:ポジショニング(SP:Strategic Positioning)
・程度の違い:組織能力(OC:Organizational Capability)

■ルーティンとしてのOCは模倣が難しい
・暗黙性、因果関係の不明確さ
・経路依存性
・OCそのものが時間とともに進化する

■SPとOCでは戦略形成におけるマネジメントの役割も違う
・SP:マネジメントは意志決定者
・OC:マネジメントの競争優位に対する影響力はより間接的

■戦略ストーリーの5C
・競争優位:利益創出の最終的な論地
・コンセプト:本質的な顧客価値の定義
・構成要素:競合他社との「違い」
・クリティカル・コア:独自性と一貫性の源泉となる中核的な構成要素
・一貫性:構成要素をつなぐ因果論理

さて、『ストーリーとしての...』の書評に危うくなりかけているのだけれど、その中で結構なページを割かれて紹介されていたのが、平尾勇司(2008)『Hot Pepperミラクル・ストーリー―リクルート式「楽しい事業」のつくり方』(以下、本書)だ。『ストーリーとしての...』に紹介されている事がきっかけで本書を手に取った。

本書はホットペッパー事業の立ち上げとその展開のストーリーだ。ただの物語ではない。本書は「ホットペッパー」を題材にしながら以下の問いを問うビジネス書。提示されている回答とともに書くと

事業とは何か?
事業は物語だ、勝つシナリオをつくれ

・強い組織とは何か?
→「マーケットと商品と組織をひとつにする*1」こと。そして、「全員で同じことを一緒に一気にやる*2」つまりシナリオが仕組化できている組織が強い組織だ。
その例として、一人一人が「コア商圏・飲食・居酒屋・9分の1・三回連続受注・20件訪問・インデックス受注」と念仏を唱えるように暗唱し、自分の行動がその行動基準から外れていないかを毎日の中で確認できる。

・よいチームとは何か?
チームとしての責任と一体感は一気通貫の組織構造でしか生まれない。
チームワークとはリーダーとメンバーの関係性以上に、メンバー同士の相互関係性が大きく影響する。どのようにチームを設計するかが組織力の鍵だ。

・すぐれたリーダーとは何か?
物語を語る人だ*3

んー、書いてみて、自分の文章ぽくナイwでも、まぁ簡単にまとめるとこんな感じ。あくまでも「ストーリーとして」書かれているので非常に読みやすい。気になったらまた、読み返せば良いのだ。

読了日:2015/5/1
レート:★★★☆☆

Hot Pepperミラクル・ストーリー―リクルート式「楽しい事業」のつくり方

Hot Pepperミラクル・ストーリー―リクルート式「楽しい事業」のつくり方

*1:p.119

*2:p.215

*3:ここについてはpp.222-224またはpp.229-233でかなり熱っぽく語られている